Intervew
三枝 浩基 Hiroki saegusa
デフリンピック
※デフリンピックとは4年に一度、世界規模で行われる、ろう者(聴覚障がい者)のための総合スポーツ競技会です。
1924年に始まり当初は国際ろう者競技大会という名称でしたが、2001年国際オリンピック委員会の認証を得て
「ろう者(Deaf)+オリンピック(Olympics)」になりました。 (Wikipedia 引用)
挫折は過程、最後に成功すれば、挫折は過程に変わる!
Sozo Vol.2は陸上選手(聴覚障がい)短距離スプリンターで2013年ソフィア・デフリンピックで日本人として32年ぶりの
ファイナリストとなり8位入賞を果たした三枝浩基さんです。
先ずは自己紹介お願いします。
Hiroki こんにちは!三枝浩基です。 1990年9月28日 兵庫県出身 満25歳 陸上競技の短距離をやっています。
Sozo 陸上を始めたきっかけはなんですか?
Hiroki 高校1年生の時に陸上が大好きな友達に誘われて始めました。
彼もまだ現役で頑張っているので、いつかお互いに日本代表でデフリンピックに行けたらいいなって思っています。
Sozo 三枝さんは最初から短距離だったんですか?
Hiroki いえ、高校1年の4月から最初の頃は走り幅跳び、三段跳びをやっていましたが、腰痛になってしまい、
その冬から短距離に転向しました。
Sozo お父さんも陸上をやられてたみたいで、やっぱり影響はあったんですか?
Hiroki はい、多少は(笑)それより2歳上の姉も100mと走り幅跳びをやっていたんで、姉の影響もありましたね。
Sozo じゃあお姉さんは応援してくれてるでしょ!
Hiroki はい!僕が引退するまでずっと応援してくれてると思います。
Sozo アドバイスとかしてくれるんですか?
Hiroki アドバイスと言うか父は「とにかく死んでもいいから、がむしゃらに走れ!」って言われてました。
この言葉を信じて努力してきました。陸上が楽しくてしょうがなかったですから。
Sozo 高校の時は大会成績はどうだったんですか?
Hiroki 近畿では1番でした、全国では3番めだったかな・・・
結局高校の時の全国ろう者大会は無冠のまま終わりました。 (笑)
Sozo 競技をやっていて一番面白いところはなんですか?
Hiroki 100mはスタートを失敗して一回遅れたらそれを取り戻すのはほぼ不可能ですし、1つの動作を失敗してしまうと
タイムが落ちてしまうという緊張感もあります。その反面スタートも後半も全部含めて完璧にすれば
自己ベストが出るというところが面白いところです! 100mは単純でシンプルだからこそ一番難しい
面白い競技だと思います。本番は数秒の競技で一瞬を風を切って走るのはすごく快感です。
Sozo 最近は健常者の大会にも積極的に出場しているみたいですがどうですか?
Hiroki はい!積極的に出場するようにしています。健常者の大会では早い方がたくさんいるので、
いつもいい刺激をもらっています。スタートもピストルの音も聞こえますが今は信号式の
ランプでスタートを知らせるのが付いているんですが、感覚やコツも段々分かって来たので
自己ベストもそろそろ狙えると思います。
Sozo 練習内容は自分で考えてるんですか?
Hiroki シーズン中は自分で考えたメニューで独学ですがやっています。
冬季はお世話になっている大学の方達とトレーニングをしています。
Sozo スランプとかはありましたか?
Hiroki スランプ. . .2年ぐらいありましたかね。
その時期には先輩にアドバイスをもらって試したり、それが合わなかったら
また違うトレーニングをしてみたり、あとはウエイトをやってなかったので、積極的にウエイトを取り入れて
走り込みもただ何本も走るのではなく、本数を減らして一本ずつ全力でなるべく質のいい練習を
心がけてやるようにしていたら、徐々に自己ベストも出るようになって、その後は自己ベスト連発でした。
2年間悩んで何度も辞めようって思いましたが、デフリンピックに出たい気持ちが強かったので、
諦めずに頑張れました。
最終的に自分にあった練習方法も見付かりましたし。
好きな言葉で「挫折は過程、最後に成功すれば、挫折は過程に変わる!」
此れを信じてやっていました。
Sozo メンタル強いですね!
Hiroki いえ、メンタルは前に比べればマシになりましたけど、今でもまだ弱いです。笑
Sozo 高校の後はどうされたんですか?
Hiroki 兵庫で就職して、そこには陸上部は無かったのですが、近くに陸上競技場があったので
いつもそこで練習していました。とても理解のある会社でしたが、
デフリンピックに向けて練習時間も増やしたかったので退社して、大会まで1年ぐらいは陸上一本でやっていました。
デフリンピック後はもっと早い人たちと練習したかったのもあり、人の伝で関東に拠点を移して
しばらくはアルバイトをしながら練習をしていました。
そして昨年5月にエイベックス所属になり「エイベックス・チャレンジド・アスリート(avex challenged athlete)」 としてお世話になる事になりました。
練習にも打ち込めるので本当に助かっています!
Sozo 今後の目標を教えて下さい。
Hiroki 先ずは12回日本聴覚障害者陸上競技選手権大会100mで3連覇を目指します。
10月のアジア太平洋ろう者競技大会で完全制覇して
2017年デフリンピックで金メダルを取ってウィニングランすることです!
それと競技ではないんですが、デフリンピックの知名度が世界的に低く、
日本でもパラリンピック知名度は94%でほぼ100%に近い数字なんですが、
デフリンピックの知名度はたった2.8%しかないんです。
なので僕らがもっと活躍して、メディアにも取り上げてもらえればPRできますし
皆さんに広めたい気持ちが強いです!
応援よろしくお願いします!